さて、セローレストア最終回、キャブレターの部品交換です。
課題はキャブレターの中に入っているフロートバルブという部品です。
タンクからのガソリンを制御する部品が摩耗してしまい、
微量ですがガソリンが漏れるようになり交換が必要です。
セローもこの後のモデルはインジェクションになり
そういう問題は起きないのですが、キャブのオートバイには全て発生する課題でした。
4連のキャブレターなら4個部品交換が必要になってきます。
しかも、キャブレターという部品はエンジンとエアクリーナーの間に位置し
外すのに手間がかかる部品です。
普通だったらサービスマニュアルを入手し
その手順通りにキャブレター分解していくのですが、
セローは単気筒ですし、サービスマニュアルを購入せずに作業始めました。
サイドカバー、シート、タンクを外してキャブレターをむき出しにしていきます。
昔のオフロード車だったらそこまでしなくてもフロートバルブが外せたりするのですが
現代の車は重量を集中させようとしており、
セローのキャブもやはりそう簡単には外れないようです。
手前にあったフエールポンプとおぼしき部品を外し
エアクリーナを止めているボルトを外し、少し後ろにずらします。
その他、車体左側の部品を外し、キャブレターを止めている前後のリングを外し
少しずらしていくとキャブレター見事に外れました。
本当だったらここでキャブレターを本体から外して
クリーニングしたいところですが、それをやるとプラス1時間以上かかるのでやめます。
できるだけキャブレターを車体についているホース類を外さないようにして、
ひっくり返してキャブレターのフロート室を開きます。
フロートバルブが見えてきました。
次に、フロート本体を外さなければいけませんが、ここが1番苦苦労しました。
フロートを支えている芯棒がなかなか抜けないのです。
ネットの記事を検索すると、決められた方向にしか抜けないようです。
ビスをサンダーで棒に合うように削り、ペンチで押し込んで、外していきます。
なんとか抜けました。
やっとフロートバルブがハズレました。
この部品はキャブレター車の弱点で必ずある程度年数が経つと交換が必要です。
しかし、逆に言えば、これさえ自分でメンテナンスできれば
キャブはインジェクションよりわかりやすい構造であり、自分としては好きです。
セローのキャブレターモデルはもうありません。
自分にふさわしい車かもしれません。
いくつものバイクをレストアし、キャブレターを分解してきましたが、
セローのキャブはいたってオーソドックスなものでした。
このメンテナンスが終了すればセローのレストアもそろそろ終了です。
走りに行こうかなと思います。