2011年12月25日日曜日

東北自動車道 往復1300キロ,宮城、岩手へ、そして

福島は行ってみたが
何だかまだよくわからない
そして
やっぱり
宮城、岩手を訪れなきゃと決心した

それは確かに少し遠すぎる。
往復1300キロの運転、
けど
知り合いが行き
詳細にそのことを知らせてくれた
やっぱ、行ける!

距離は前回の倍近く
時間は片道7時間運転
でも、休みがとれたし、
高速は無料化だ
行こう


仙台、陸前高田、気仙沼
ニュースに何度も出た町
どんなとこだか
見当もつかない
でも
行ってみよう









高速を降りて、仙台の町へ向かう
とりあえず着いたのが仙台港
北海道苫小牧へフェリーが出ている町
吉田拓郎の”落葉”に出てくる町
車を走らせ様子をうかがうと被害は各所に残っているけど
すごいパワーのある街で、
着実に本来の仕事を取り戻している


東を目指す
道の途中
松原の風景に出会う
本当に素敵な風景だ
驚いてしまう、こんな複雑な地形は関東にはない



観光地も復活している
人も沢山いた。
被災地の悲しさはここには無い


でも、東へ進むと
この町が見えてきた
石巻である


町がすべて飲み込まれていた
家屋が流され
それが撤去され
地盤沈下によって池のような土地が広がっていた



自然の災害に心まで押し流されたくない
そんな、意思表示のオブジェに初めて出会えた
誰もが立ち止まってみていたし
誰もが心を温められていた



絆という文字が
こんなに生きる町はない


道をさらに走ると
左手に小学校が見えてくる
門脇小学校


校舎が焼けはててしまっている
津波の中で漏れ出た
油に引火して全焼してしまったらしい




一階の職員室は炎から間逃れ
物が散乱し、当時のままである
記録として残しているのだろうか

これだけの被害をうけた小学校であったにもかかわらず
児童は裏山に避難し
全員無事であったそうだ


高台の
日和山公園から町を見渡す
町の東側は全て津波で持っていかれている



翌日、
向かったのは陸前高田市
勿論ここも被害が大きい
町に近づくと山間から朝市やプレハブの数々
後でわかったことだが
もとの町並みは
復興中でユンボやトラックだらけ
人が活動できる場所はない


多くのお店はこのようなコンテナハウスを活用して
営まれていた

凄いユンボの一群
しかし、土地が広すぎて、
撤去物が多すぎて
まだまだ時間がかかる

見えてきたのはテレビでも有名になった一本松
しかし、海岸線に近すぎて
復興の作業が進められ
近づくことはできなかった
もうすぐこの木もなくなってしまうのだろう


最後に訪れたのは
気仙沼
海の中にガードレール
地盤沈下だ
凄い風景がここにもある
でも
気仙沼の町は山間部にも広がり、
被害を受けたのは全部ではなかった
昼食にお寿司をいただけたほどの町


これもすごい風景だった
船が道路の横にたたずんでいる
これは将来どうなるのだろう
動かすことが本当にできるのだろうか

この旅を通して
最後に
どうしても語らなければならないのは
初日の最後に訪れた
大川小学校のことだろう

死者・行方不明者74名
現在裁判中であり
この場で多くを語れるテーマではないが
間違いなく言えることは
津波が来ると思っていた人と来ないと思っていた人がいて混乱したこと
この学校が町の津波想定外地域であったこと
だが、屋根までの高い津波が来たこと
そして、多くの死者・行方不明者の出たことである

私が到着した日暮れ時
クリスマスイブの夜でもあり、
悲しみをこらえ
人々が集まっていた
そんな中
自分の目で確かめたく
本当に裏山に登ることはできたかできなかったかと
懐中電灯で足下を照らし
うろうろしてみた
でも、やはりよくわからなかった

そして、感じたことは
本当に危険だと思っている所からよりも
危ないか、危なくないか
灰色でよくわからない部分の中に
本当に怖い危険が潜んでいる、ということだ

その危険を避けるのは
マニュアルでもなく
一歩でも高いところへ逃げろ
自分の命は自分で守れという
「津波てんでんこ」の話だった

世間一般に津波と言われ
東北地方と言われ
そういうものだと
納得してテレビで報道を見て理解してきた

しかし、現地へ行ってみると
状況はあまりにも複雑だった

例えば、下の地図の女川を走っているときが一番ビックリした
津波に対して背を向け、
しかも湾になっている
沢田は走っていて被害が少ないことが伺えた
それに反して
女川町は太平洋に口をぱっくり開け
津波がのど元まで届いていた
断崖絶壁の
がけの上の家まで
津波で持っていかれ
町全体が無くなっていた































そんな細かなことまで
ニュースは伝えない

ニュースは全体を伝えるだけで
生きること、
感じることは全体でなく
個の問題だ

一人一人がしっかり
「津軽てんでこ」でなくっちゃいけない
古い言い伝え通り
「津波がきたら
各自がてんでんばらばらに
一人で高い所に逃げろ!」

よし!
わかった
旅は終わりだ
でも、絶対また訪れよう
どんな町に生まれ変わっているか
ちゃんと見届けよう
これからを









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